【令和】になって間もなく6年が経とうとしている。私は【令和】というチャンネル
の現実を見ているが、まだ【平成】のままの時間軸や【万保】【万和】【広至】【久
化】【英弘】といった令和以外の最終候補の時間軸も存在している可能性も無いとも言
い切れない。
私の見る夢の中の世界のひとつに、【昭和】ベースの夢がある。
その夢は一見、過去の思い出とか幼少期記憶が原因と思っていたが、どうやらそうではないようだ。
それはもしかしたら我々と違う時間軸の話かも知れない。
別次元観光ツアー?
私は何らかのツアーに参加していたらしく夢はツアーのバスにおいて行かれた場面から始まった。
気付くと他にも50代と思われる宗教の勧誘してそうな女性もバスに置いて行かれたらしく、追いかけるために路線バスの時刻表を見ていたが2時間以上無いことが判明した。
バスの停留所はいかにも昭和の田舎の停留所だったが、現在時刻と到着時刻が液晶で表示されていてバスが現在どの停留所付近を走行中かが解るようになっていた。
『仕方ないから歩きましょ』宗教女性がそう言うのでふたりで歩くことにした。
『ツアーのバスは今どこら辺を走っているんですかね?スマホ持ってないからわからなくて』と伝えると宗教女性は『え?持って無いの?』と大変驚いていた。
その時ちょうど向かい側から2台の車が連なってやってきて我々の前に停まった。
昭和風の若者2人が降りてきて『もしかしてツアーでバスに置いて行かれた方ですか?』と言った。
若者の話ではこの先の【ドライブイン】でツアーのバスが乗客が2名足りないと大騒ぎをしていたのを見たようだ。
若者は『よかったらドライブインまで乗っていきませんか?』と言ってくれた。
もうひとりの若者は『スマートフォンが見てみたい』と言うと、宗教女性が赤いアイフォンを取り出すと若者は『おお薄い!』と驚いていたが、私が持っていたガラケーと若者が持っていたガラケーが同一機種であったためそのことの方が驚いていた。
若者の乗っていた車は日産のスカイラインジャパンとR32型のスカイラインGT-Rで新車のようにピカピカだったのだが、車は全て電気自動車で過去に販売されていたモデルも新車で買う事が出来るそうだ。
エンジン音や排気音はスピーカーから流れるらしい。
ドライブインに着くとバスツアーの『赤いボンネットバス』が待っていた。
バスガイドがハズキルーペのような眼鏡をポケットから取り出して掛けた。
『ツアーの参加者いました』と腕時計に向かって喋りかけると、ハズキルーペを再びしまいバスの扉が開いた。
バスに乗り込むと他の乗客からの冷たい視線に気まづくなりながらも、私と宗教おばさんはバスガイドの後ろの前から二列目に座った。
ボンネットバスは見た目とは裏腹に、音も無く発車した。
滑るように振動も無く、恐らくは自動運転でバスは決められたルートを走る。
信号機はLEDなのにシマシマの枠が付いている。自動車学校の練習コースでさえ見かけなくなった縞々信号が懐かしい。
しかしこの後バスは黄色いパトランプがついた大きな道路清掃車と衝突事故を起こして夢は終わった。
恐らく私はこの事故で死んでしまったのだろうと思った。
事故自体は大した事はなかったが、バッテリーから煙が出て出火したのが最後だった。