現代において 年齢を重ねるにつれて、生身の人間を信用する。
反対に年齢が若くなっていくほどに、小さな液晶画面の電波に乗った遠くの顔の判らない人間を信用する。
いずれも相手は【ヒト】とは限らない。
しかし多くはヒトの皮を被った鬼か悪魔であって、容赦なくすべてを奪い尽くす。
ニュースなどではよく、「お年寄りが電話で騙されてお金を振り込んでしまった」といった報道が後を絶たないが、逆に私の周囲では若者がマッチングアプリや副業、投資アプリなどの被害が多い。
被害者はマッチングアプリで平気で免許証や保険証の写真を撮って送ってしまい、それを元に悪用されたり、また既婚者であれば脅迫されたりしたらしい。
また、悟り世代と呼ばれる20~30代半ばの若者たちは賃金の上昇や不景気の終わりが来ないということをすでに認識しており、独自の対策として投資や副業で将来に備えるひとが増えている。
そこに漬け込んで、スマホだけで運営できるネット上の仮想店舗経営と謳い開業資金と商品仕入れ残高の入金を促す。
いずれもはじめるまえに、私のところに相談に来たと言うことは被害に遭った本人たちも、多少は疑念があった証拠である。
しかし、この時若者に言われた『歳がいったら新しいことに手を出さなくなるのは本当なんだな』と言う言葉にリスクを負わなければ、何一つ行動できないと言うのもまた事実なり。