呆丈記

呆れたものがたり

能面奇族

 【喜】【怒】【哀】【楽】人間には心の感情を顔に出して示す事が出来る。

 

これは車の方向指示器とどこか似ているような気がする。

 

左に曲がる際には『左ウィンカー』が点滅して、右に曲がるときには同じく『右ウィンカー』を作動させる。

 

後退する際にはバックランプが点灯する。

 

人も同じく、うれしい時には笑い、悲しき時は泣く、腹立たしい時は怒りをあらわにする。

 

しかし近年これが出来ない人が多くなってきているような気がする。

 

 

 

 私も通常時には無表情の真顔なことが多い、自覚は無いがやはり声が掛けずらいようだ。

 

一旦声をかけられれば表情が出来てくるものの、しばらくすると再び一点を見つめたまま瞬きすらせず無表情になる。

 

何かしらの障害の一種だろうが、こんな私でも気になるさらなる特徴のある人がいる。

 

 

声をかけても無言、無表情で『じーと』こちらを見つめたまま・・・・・

 

 

首を縦や横に振って意思疎通を自分なりに示してくれる状態ならまだましな方である。

 

 

そのままフリーズしてしまう人もいる。

 

 

その時点で私ならそれ以上の接触はやめるが、気の短い人なら『何とか言わんかい!ワレ!』と因縁を付ける可能性もある。

 

実際に車と歩行者が接触しそうになった際に、車側が無表情で固まってしまい歩行者に『何見とんじゃ!謝らんかいぼけ!』と言って窓ガラスをガンガン叩かれているのを見たことがある。

 

 

 表情は人に与えられた意思疎通の補助ツールである。

 

 

野生の動物には必要の無い

 

人間とそれに近し一部の動物に与えられた関係を円滑にも悪化にも転じることができる特技なのかも知れない。