精神が荒んでいる者は他人の幸福が憎くて仕方がない。
『順風満帆な人生』をねたみ、ぶち壊すことがよろこび。
叶わぬなら滅してしまおうこの世界。
戦争しよう、そうしよう、失うものなんか何もない。
もう地獄は見たから、あとは戦争見て死ぬだけ。
はよ戦争!はよ!
物騒な序文で驚かせてしまい申し訳なく思います。
冒頭の文言は、仕事中に耳に入ってきた30代前半と思われる若者の会話の中の引用である。
彼は私のように小太りで作業服姿の出で立ちで、スマートフォンで誰かと話していたようでした。
もう片方の手に持った『ラムネの瓶』のビー玉をカチャカチャさせながら、ベンチに座ったり立ったりと終始落ち着かないようすだったのが印象的だった。
感情がこもるとビー玉のカチャカチャが速く、音も大きく激しくなっていった。
彼は自分と同じ年代の人間が『自分より良い生活をし幸福なのが何よりも許せない』
としきりに繰り返し強調していたのがわかった。
今現在の状況が今後死ぬまで継続されると確定した場合、このような思考に至る人の割合が今後どんどん多くなると思う。
そしてあろうことか貧富の差を均すのは、
戦争・革命・崩壊・疫病 の4つであり、そのひとつは既に『新型コロナウイルス』となって現在進行中。
これらの4つの事項に共通する事は【困る】ことではないだろうか?
あたり前だけど困らないと何も変わらない訳であるし、不便で困ったから改善されて便利になってきた。
【困る】または【困らせる】ことが物事が動く条件なことがほとんどではないか?
諸外国で起こる暴動や略奪も今の生活が満たされていれば起こらない。
貧困に困り果てて限界を突破し、それが怒りに変わった。
まさに冒頭の青年のような状況だろう。
この先、日本は戦争・革命・崩壊・疫病のいずれかが起こらない限り、100%変わる事は絶対に無い。
ネットを使っての拡散や呼びかけは一切意味が無い。
もちろん大人数が集まってのデモも同じである。
『だからどうしたの?それで?』でおわり。
物事が動いた時は誰かが困らせて、誰かが困ったと考えておおよそ間違えないだろう。
そして周囲が困ると思い気遣って行った行為が、逆に困らせることが多い作者は一切の進歩なし。
仕舞いにはラムネのビー玉の音で飲みたくなり、街じゅうの店に電話を掛けまくる。