呆丈記

呆れたものがたり

敵になったマスクマン

   近ごろは配送や営業で客の家に訪問する際は『マスク』をしていない。

 

コロナウィルスが騒がれ始めたころは『マスク』をしないで訪問すると苦情が来ていたが、今は逆にしていると苦情が来る。

 

 それもそのはず、私の仕事はスーパーで買い物した商品を家まで配達したり、新たな顧客を営業したりが主な業務内容である。

 

店でマスクが『入荷は未定です』なんて張り紙をしていているにも関わらず、その店の人間がしっかりとマスクをしていると『なんでぃ!あるやんか!ワシらには無い無い言うといて自分らばっかりしっかり予防しよるんかい!』

 

と非難が殺到しそうになったのだ。

 

 

こんなことで客が頭にきて他店に流れて顧客が減ると、私の首は刎ねられる。

 

 

『最初は店がマスクを支給してくれていたんだけどね、もう無くなっちゃって、他の店員や配送員も自宅にある分を使っているんよ。』

 

 

と説明するとニッコリで『せやろせやろ!無いもんはしゃーないもんなぁ』と仲間意識を持つようだった。

 

 

ちなみに営業や配送の際は客の玄関の戸を開けっ放しにして換気をよくすることを心掛けている。

 

 

 

そんな私を見かねてか、客のおばあちゃんが『生理用品』でマスクを作ってくれた。

 

 

 

抵抗があるのは、コロナウィルスの方かそれともこの自作マスクの方か・・・もうわからなくなった・・・・・