呆丈記

呆れたものがたり

ちゃんねるはそのままでよいか?

 現世において、『今ある【魂】は前世から引き継いだものである』という考えは肯定も否定もできない。

 

記憶が無い以上自覚も無い。これはたとえ異世界に転生(チャンネルを変える)したとしても自他共に何もなかったかのように流れに溶け込む。

 

我々にはテレビのようにいくつものチャンネルがあり、自覚の無いままに自らそのチャンネルを変えているのかも知れない。

 

 

  以前、気管支炎の再発のため受診に訪れた医院での出来事である。

私はその医院には幾度となく受診しており、病状が良くなったため再び症状が出た際にまた来院するように言われていた。

 

それから1年半余り・・・・

 

せきがひどくなり止まらなくなった。市販の咳止め薬を服用しても治まらない。

季節はちょうど、秋から冬へと移り変わるころ、このような症状を訴える人が急増するのだ。

 

 新築の小さな雑居ビルの二階に開業したその医院はそこそこ評判が良かったが、医師が二日酔いで突然休診したり、飛行機や列車に乗り遅れて帰ってこられずにやむなく休診といった作者とどことなく似ている種類の人物であった。

 

前日に電話で予約を入れて午前中に受診することになった。

 

 

 バスで30分程ゆられ駅前で降りた。そこからは歩いてすぐの所にある。

真新しいが狭いエレベーターに乗り2階へ昇る。

階数表示の液晶画面とは別にモニターパネルがあり、川のせせらぎや紅葉などが映し出されていての上部に付いているスピーカーからは音楽が流れている。

 

 

2階へ到着し扉が開くと新築の新しい匂いがする。

私は診察券と保険証を財布から取り出し曇りガラスの自動ドアの前に立った。

 

久しぶりの医院内は全く変わりなかった。

すでに待合には多くの人であふれていた。

 

受付までは10メーターほどあるが、40代後半と思われる受付の人が立ちあがりジーっとこちらを凝視していた。

 

診察券と保険証をまだ出していないにもかかわらず、こう言い放った

 

『病院をおまちがえではないですか?』

 

前日に予約したことを伝えたが『別な科を受診した方が良い』と勧めてくる始末。

 

そのやり取りを見ていた別の若い受付女性が、『おなまえお伺いしてもよろしいでしょうか?』と横から口を挟んできた。

 

中年の受付女性はその女性を入ってこないように睨みつけ、押して2,3歩うしろに押しのけた。

 

そしてクルリと振り返り、鬼のような顔で『申し訳ございませんがまずは別の科の受診をおすすめいたします。それからご来院ください。』と大きな声で言い放った。

 

待合室内は異様な光景に唖然とするばかり、私は仕方なく自動ドアを再び開けた。

 

 

 エレベーターの下降ボタンを押したとき、後ろから大慌ての医師がやってきた。

恐らくさっきの若い受付女性が報告したのだろう・・・・

 

医師は『失礼があったようで申し訳ない』と陳謝し、あの受付女性がいない日に予約をずらすと伝えてきた。

 

私は別にそれを断り医院をあとにした。

 

医師は『このような事があったのはこれで2回目』『なぜこのような対応をとったのか理解できない』と首をかしげて困惑していた。

 

 

 

 呆丈記を長くごらんになられている方ならお気づきかと思われる。

以前にもこのような内容の記事があったことを・・・・

 

 

rice9999.hatenablog.com

 初対面のおじいさんが突如『殺してやる!』と言って掴みかかってきたお話である。

 

記事にはしていないが、こどものころ友達と包丁を持った太ったおばさんに追いかけられたが、そのおばさんは明らかに執拗に私を狙っていたのだ。

二手に分かれて逃げても必ずこちらに来る。

逃げた友達がおじいちゃんを連れてこなかったら私はすでに殺されていた。

 

 

前世の因縁はあるのだろうか?それとも自分では気づかないうちに恨みを買っているのだろうか?

 

これとは逆に『神様』のように扱われることもある。何もしていないのに感謝されてもてなされる。

 

どちらかと言うとこちらの方が多いが、これはこれで怖い気がする。

 

どこか別のチャンネルで起きた出来事が他のチャンネルで反映でもされているのだろうか?

 

 

意図してこのチャンネルを変えることができるのなら、さぞかし良い一生になることだろう。