呆丈記

呆れたものがたり

ひらけ!おっさんパーティーすべてはそこにある!

 紅葉見ごろの秋の終盤を迎えた湖畔の温泉街は、海外や本州からの旅行客で溢れかえっていた。

 

そんな賑わいとは相反するように、一本裏手の通りは入り口を板張りされた温泉ホテルや飲食店、色あせて割れた看板のスナックなど、不況のあおりを受けてメイン通りのおこぼれ客の減少により廃業を余儀なくされた店が大半を占める。

 

 

ある者は恩恵を享受できずこの地を去り、またある者はこの地を【新天地】としてめざす。

 

 

そしてその裏通りを山側に登る坂の上に、朽ち果てながら営業を続けるゾンビのような古びた旅館は今日も湯気を吐き来るものを招き迎え入れる。

 

 

 古びた温泉宿に集結するおっさん衆

 

おっさん初心者からジジイ一歩手前の還暦前後まで年代様々な5人が童心に還る。

気分は完全に修学旅行~漂うおっさん臭放ち再びよみがえる青春に心躍らせる。

 

 

温泉ではしゃぐおっさん

 

おっさん5人温泉に入る。丸出しで湯船にダイブ!貸切り状態のここでは、もはやプールでしかない。

 

湯船で泳ぐおっさん、洗面器でお湯をぶっかけ合うおっさん、冷水シャワーを武器に無双するおっさん。からだはおっさん、あたまはこども。

 

ハゲのひと、デブのひと、チビのひと、ガリのひと、ええじゃないか、ええじゃないか!

 

この瞬間は日本で最もはしゃいでいるおっさん達がここにはいた。

 

 

 

ごはんでごあす

 

おっさんDEごはん~ホッケの開きでごはん。・・・からの熱燗・・・からのビールに発展。

 

やきとり、えだまめ、からしれんこん、ゲソ揚げ・・・・ごはんはどこや?

 

 

部屋で語る

 

おっさんはやっぱしエロい、酒入りなおエロい。

娘とおなじ歳の新入社員と一発とか、取引先の婆の事務員と一発とか、下半身はまだまだ若いおっさんも存在する。

 

ミサイル発射自粛要請&ミサイル放棄はまだまだ無さそう。

家庭内の紛争も懸念される。

 

家庭のための理想はやはりミサイル根絶か・・・・・

 

 

就寝小用

 

 ふとんを敷きだしたらはじまる『枕』投げ。飛び交う枕は30分ほど続いた。

その後はトランプ、ジェンガで盛り上がる。

 

そして『呑み足りない』おっさんが出てきて、こっそり旅館を抜け出しみんなでメイン通りにあるコンビニを目指す。

 

途中にある高級リゾートホテルの看板の前でなぜか記念撮影するおっさん。

気分はリゾートに来た修学旅行生。

 

 

部屋に戻り酒を酌み交わしながらの怪談話に・・・・・・

 

 

おっさんこわくなり、みんなで連れションおかしいね。

 

ふとんに入り明け方までおしゃべりつづく・・・・・・・

 

 

 

解散~

 

 別れの時は来た、おっさんララバイまた逢う日まで逢える時までフォーエバー。

みんなふつうのおっさんに戻った。偽りのおっさんに戻った。

 

まじめの仮面つけなおし、戦場にもどってゆく・・・・・・

たたかえ!企業戦士!みんなの生活まもるため!

 

 

ひらけ!おっさんパーティー~すべてはそこにある!

 

 

 

 

 さいごに

 

 駄目な部分多いけど、今の若者にはこんなおっさんになってもらいたいな。

今のまま、そのままおっさんになることは簡単そうでむずかしい。

 

中年の幼稚化が目に付くようになった現代の日本、それは【まじめの仮面】が息苦しくなり見え隠れする素顔なだけなような気がする。

 

人は皆もっと気楽に生きたいのではないか?もっと自由を欲しているのではないか?

そう思えてならない。

 

テレビでまじめな顔でニュースを読むアナウンサーやお堅い仕事の社会的地位のある人たちだって、学生時代の仲間が集まれば馬鹿のひとつやふたつでは済まないわけである。

 

 

 

この価値を理解できる人は、たとえお金が無くともしあわせになれると思う気がする。