呆丈記

呆れたものがたり

できないことをがんばるな

  人類みな一切の苦無くしあわせになるのは無理な話である。寸法の合わない敷き物のように、どこかに合わせれば他にしわが寄る。誰かの自由の中にいる限り、しあわせはやっては来ない。反対に自分が自由になれば誰かに無理が生じる、自由としあわせを取り合う椅子取りゲームのようなもの。

 

しかし不自由の中で生きることはある程度必要なことでもある。不自由の中で忍耐を養い我慢が鍛えられる。負の感情もすべてちからに換えることができたとき更なる高みへと到達できるであろう。

 

 

『なせば為る 成さねば為らぬ 何事も 成らぬは人の なさぬなりけり』

 

米沢藩を立て直すために自ら節約を実践し手本を示した上杉鷹山だから説得力があるのである。上の者が自ら実践し手本を示せばあとに続くしかない。これはアメリカ元大統領も尊敬した日本を代表する偉人のことばである。

 

 

しかし現代においてブラック企業のノルマ必達のための指標とされることがある。

『やればできる、やらないからできない、できないのは頑張りが足りてないからだよ、頑張るのはあたりまえで、頑張って成果を出すのが仕事だよ』といいながら椅子にふんぞり返り具体的な指示や提案も出さない高給取りにみんながなりたくて仕事を頑張るから、この国はいつまでたってもよくならないのである。