今週のお題「ちょっとコワい話」

 

今週のお題「ちょっとコワい話」

 

 2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」に友人の母親とおばあちゃんが行った際に聞いた話。年齢的にもこれが最期の旅行と、思い切ってはるばる北海道のド田舎から万博を見に行こうとなったらしい。しかし案の定、はじめての内地旅行のため二人は迷ってしまったらしく海沿いの小さな漁村?にたどりついた。その際、集落を迷い歩いていると廃墟のような古いアパートの裏を通りかかった。草はボウボウで壊れた電化製品が放置されてどう見ても廃墟にしか見えなかったらしいが、台所と思われる窓の曇りガラス越しに、白いトレーナーの中年くらいの女性が洗い物をしている様子があったため「こんなんでも誰か住んどるね」と思ったそうです。

なんとか会場についてあれこれ見てまわって、なんか食べようかとなりフードコートのようなところで、おばあちゃんを休ませて友人の母が何か買いに行った。食べ物を買って帰ってくると、おばあちゃんは「さっきのアパートにいた人も観に来たみたいよ、さっきあっちのテーブルに座ってたよ」と言い出した。母親の方も会場でそれらしき白トレーナーの中年女性を見かけていたがはっきりと見ていないし、そもそも曇りガラス越しだったため顔もわからない。その時はそんなに気にもしなかったそうです。

 

 当然日帰りでないためホテルに宿泊したのですが、夕食後二人はさすがに目を疑った。さっき話していた白トレーナーの中年女性の背中が閉まる直前のエレベーターの扉の隙間から見えたのだ。おばあちゃんはきっと疲れていて白いトレーナーを着ている人が、みんなそういう風に見えてしまっているんだと無理やり結論付けた。

翌日、昨日の出来事はすっかり忘れ二人は万博を楽しんだ。そしてお土産を買って北海道にこれから帰るよと、家に電話している時いきなりおばあちゃんが、娘(友人の母)の腕を引っ張った。それは白トレーナーの女がいる。との合図だとすぐわかったそうです。

 地元に帰ってきてから、おばあちゃんはお坊さんに一連の出来事を話したらお坊さんは、白トレーナーの女は親子が自分の故郷から来たのがわかったため、一緒にこの地元に帰りたかったのではないか?と言ってたそうです。